編入学試験の結果が分かった瞬間、「奇跡が起きた」と思いました。それは、準備期間を経て、ようやく自分の努力が実を結んだ瞬間でした。何度も試験勉強を重ね、仕事と家庭の合間をぬって準備してきたことが、ようやく目に見える形で報われたのです。その瞬間、私のこれまでの人生がすべて繋がり、涙がこぼれそうになるほど感動的でした。
40代という年齢で大学編入を決意し、挑戦を続けた日々は決して楽なものではありませんでした。しかし、どんなに苦しくても、その先に新しい自分を発見できるかもしれないという期待感が常に私を支えてくれました。今回は、その編入学試験の結果発表とその喜びについて、詳しくお話ししたいと思います。
40代で編入学を決意した背景
大学編入試験を受けるという決断をしたのは、40代半ばの頃です。若いころは、学びを深めることに対してあまり意識を向けていませんでした。4年制大学進学は遠い夢のように感じていたのです。しかし、歳を重ねる中で、仕事や家庭生活が一段落したときに、もう一度、自分の学び直しのチャンスを持ちたいという気持ちが強くなりました。
学びたいという気持ちが私の中で徐々に芽生え、仕事をしている中でも新しい知識を吸収したい、もっと深い学問的な探求がしたいという気持ちが湧いてきたのです。それまでは、自己成長に繋がる本を読んだり、スキルアップのために資格を取ることには力を入れてきましたが、もっと本格的に学問の世界に身を投じてみたいという欲求が強くなっていました。
40代になり、今後の人生の過ごし方について考える中で、「人生の後半をどう充実させるか?」という問いが浮かび上がりました。自分に何か新しい挑戦をしてみたい。その時に思いついたのが大学編入でした。若い学生たちと同じラインに立つことは簡単ではありませんが、自分の中にあった好奇心や学問への情熱を再び呼び覚ますために、編入学試験に挑戦しようと決意したのです。
編入学試験の準備:試験勉強の始まり
編入学試験に向けて、まず最初にやったことは情報収集でした。どの大学で編入学が可能で、どのような試験内容が求められるのかを徹底的に調べました。受験する大学は4校に絞り、それぞれの試験内容を確認していきました。試験内容は大学によって異なり、英語、小論文、面接など様々でしたが、どれもが私にとっては初めての挑戦でした。
試験準備を始めたものの、最初の数ヶ月はなかなか思うように進まなかったのが実情です。社会人としてフルタイムで働きながら、家事や子供の世話などもこなしつつ、勉強の時間を作るのは非常に大変でした。夜遅くまで勉強しても、翌朝は仕事に出かけなければならないという状況が続き、体力的にも精神的にも限界に近いことがありました。それでも、自分がこれから学ぶための新しいスタートを切りたかったので、どんなに辛くても勉強を続けました。
試験に向けて、小論文や英語の対策を重点的に行いました。特に、小論文では自分の考えを論理的に表現する力が求められるため、過去問を解きながら自分の意見を簡潔にまとめ、根拠を書く練習を繰り返しました。英語の試験では、文法や語彙の強化はもちろん、英語で思考を整理する訓練にも力を入れました。
合格発表の日:期待と不安の入り混じった瞬間
試験を終え、合格発表の日が近づくにつれて、心の中で期待と不安が入り混じった感情を抱えていました。試験が終わったあとの2週間が非常に長く感じられました。合格発表は、試験を受けてから2週間後に行われることが多いのですが、その日が近づくにつれて、私は毎日郵便受けを何度もチェックしていました。
最初に合格発表があったのは、受験1校目の大学でした。私はこの大学の試験に対して、英語の試験では実力を十分に発揮できなかったものの、小論文は自分なりに良い出来だと感じていました。面接でも、学部長と教授の2名が担当だったのですが、特に学部長の女性が私に興味を持ってくれ、質問に対して熱心に聞いてくれたことが印象に残っています。そのため、手ごたえを感じていたのです。
合格通知の日、私は朝早くから自宅の郵便受けを見に行きました。10時になっても通知は届かず、もしかしたら午後に届くのかもしれないと、期待と不安の入り混じった気持ちで待ち続けました。しかし、夜になっても合格通知は届きませんでした。結局、1校目の大学からの通知は不合格であることが分かりました。この結果には、正直言ってショックを受けましたが、それでも前向きに次の試験に向けて気持ちを切り替えました。
次に受けた2校目の試験では、英語の試験はなく、小論文2つと面接だけでしたが、試験問題の内容がほとんど理解できませんでした。面接でも面接官の教授とあまり嚙み合わず、合格することはないだろうと自覚していました。結果、こちらも不合格でした。
3校目の試験:合格通知とその驚き
その後、3校目の試験に挑戦しました。試験の内容は英語と小論文で、比較的良い出来だったと感じていました。しかし、それでも自分がこの大学に合格できるとは思っていませんでした。試験を受けてから数日後、郵便受けに入っていたのは、なんと分厚い封筒でした。最初は「なぜ封筒が?」と疑問に思いながらも、「まさか?」と思いながら封を開けると、そこには「おめでとうございます!」と書かれた合格通知が入っていたのです。驚きと喜びで胸がいっぱいになりました。
本命の大学とその後の選択
そして、最後に挑戦した本命の大学の試験は、3校目の合格通知からさらに2週間後に行われました。正直、3つ目に受験した大学は、本命以上のレベルの大学だったので絶対受からないだろうと思っていたのに、思いがけず合格してしまったので、4校目の本命の大学の試験に対するモチベーションを保つことに苦労しました。
結果、私は2つの大学に合格しました。どちらに進学するか非常に迷いました。進学先の選択は、単に大学のレベルやカリキュラムだけでなく、通学時間や自分の生活環境にどれだけ合っているかを考慮しました。また、子供たちの学業や生活に影響を及ぼさないかも重要な要素でした。最終的には、ゼミの先生の人柄に惹かれたのと、さまざまな学問を学べる学際的な学部で学ぶことに魅力を感じ3つ目に受験した大学に進学することを決めました。
まとめ:新たな大学生活への一歩
40代での大学生活は、若い学生たちと異なるチャレンジが待ち受けていることを理解していましたが、それでも新しい環境で学びを深めることに胸を躍らせていました。大学生活が始まると、毎日が新しい発見の連続でした。学生として再び学びを深めることができる幸せを感じながら、未来に向けて一歩踏み出すことができました。
これからも学び続け、人生をより豊かにするための努力を惜しまないつもりです。編入学試験に挑戦して本当に良かったと思っています。そして、この経験が自分をさらに成長させてくれると信じています。
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