さぁ!人生をおもしろがろう

40代(ミドル世代)で大学生になった筆者がリアルに語ります!

死を意識したとき、私は大学受験を決めたー40代から考える“やり残し”との向き合い方ー

卒業後&その他

1.死をリアルに意識する瞬間

40歳を過ぎたあたりから、職場で少しずつ変化を感じ始めた。
あの頃、入社したばかりの私は二十代。右も左もわからず、上司と呼ばれる人たちは皆、いかつくて怖かった。声も大きく、勢いもあって、圧倒されるばかりだった。

ところが今、その上司たちはどうなっているだろう。
白髪、シワ、疲れた顔。声の張りもなくなっている。
定年退職していった人もいる。病気で亡くなった人もいる。
足やひざが悪くなって、営業に出られず内勤に回り、そのまま退職した人もいた。

その現実を目の当たりにして、私は震えた。
「次は自分だ」
そんな感覚が、ずしんと胸に落ちたのだ。

40代、50代という年齢は、ただの数字じゃない。
「人生は永遠じゃない」という事実を、体感する年齢だ。
若い頃は、「そのうちやればいい」と思えた。
でも、その“そのうち”は、もうほとんど残っていないかもしれない。

私は、ふと周囲を見渡す。
同僚たちも、私も、あの頃の勢いはどこへやら。
体力や集中力は確実に減り、疲れが抜けにくくなった。
仕事をしていても、以前なら一日中集中できたことが、今は数時間が限界だ。
これが現実なのだ、と痛感する。

2.このままで終わるのか?

私は思った。
「もし長生きできたとして、どれだけ自分のやりたいことに没頭できる時間があるだろう?」

振り返ると、その時々で小さなやりたいことはやってきたと思う。
旅行にも行ったし、欲しいものも買った。休日に趣味の時間を持つこともあった。
しかし――
心の底からやりたくて仕方ないことに、どれだけ時間を注いできただろう?

そして、今、私は何をしたいんだろう?
やり残したことは、なんだろう?

実は、若い頃はあまり考えていなかった。
「時間は無限にある」と信じて疑わなかったのだ。
その頃は、毎日が目の前のことでいっぱいで、将来のことを本気で考える余裕もなかった。
だから、社会人になった今になって、初めて真剣に自分の人生を振り返る。

3.退職後にやろうは、もう通用しない

よく耳にする言葉がある。
「やりたいことは、定年退職してからゆっくりやる」
でも、私はそれが幻想だと知ってしまった。

実際に、私の上司の一人は、退職後に“やりたいことリスト”を作っていた。
「旅行に行きたい」「習い事を始めたい」「本を書きたい」
でも、その人は退職してすぐ、病気で亡くなった。
やりたいことは、一つも叶わなかった。

また、別の上司は、足や膝が悪くなり、営業の外回りができなくなったことで内勤に回された。
その上司は、「これから時間がある」と思い、やりたかったことを後回しにしていた。
だが、退職後も体調の制約は続き、結局、思い描いていた生活には辿り着けなかった。

あとの楽しみに取っておく ― その“あと”が、来ないこともある。
それが現実だ。

4.私は、45歳で決めた

だから私は決めた。
「やり残したことを、今やろう」

私にとって、それは大学受験だった。
18歳のとき、私は何も考えずに、周囲の価値観に流された。
「女の子は勉強しなくてもいい」
そんな空気を疑わずに、私は選択した。

でも心のどこかでずっと思っていた。
「大学受験をしてみたかった」

40代になった今、それを思い出したとき、ゾッとした。
「このまま人生を終えたら、私はきっと後悔する」
だから、45歳の春、私は決めたのだ。
「大学受験をしよう」

家族に話した時、最初は驚かれた。
「今さら大学?」
「大変じゃない?」
でも、私の心の中で、迷いはなかった。
やりたいことは、今しかできない。

5.やりたいことは、今やるしかない

この年齢になると、誰しも同じ不安を抱えると思う。
「もう遅いんじゃないか」
「失敗したらどうしよう」
「周囲に何て言われるだろう」

でも、私はこう思う。
“遅い”のではない。“今しかない”のだ。
なぜなら、これから先、今より若い日はもう一日もないから。
体力も、集中力も、健康も、少しずつ削れていく。
だからこそ、今日が一番若い日。

自分の人生の残り時間を計算してみると、リアルに焦る。
たとえ長生きしても、自由に没頭できる時間は限られている。
やりたいことを後回しにすればするほど、その可能性は減っていく。

やりたいことがあるなら、
やり残したことがあるなら、
「あとで」ではなく「今」だ。

6.人生は振り返ると短い

社会人として長く働いてきた私にとって、上司や先輩たちの人生の変化は、鏡のように自分に映る。
彼らの白髪やしわ、声の張りの衰え、退職や死――
それを見て、自分も同じ道を歩むのだと、突きつけられる。

あの頃、怖かった上司たちは、今では年老いていっている。

自分のやりたいことに、本当に向き合えるのは今しかない

7.あなたは何をやり残した?

私は大学に通い、学びの楽しさを知った。
あのとき勇気を出して受験を決めた自分を、今でも褒めたいと思う。
あの決断がなければ、私はずっと「やり残した感」を抱えたままだっただろう。

死や寿命をリアルに意識したとき、人は震える。
でも、その震えこそ、行動のサインだ。
「時間は有限だ」――その当たり前を、本当に理解できるのは、この年齢になってからだと思う。

だから、聞きたい。
あなたは何をやり残した?
その答えを胸に、今日から動いてみませんか。


【最後に】

40代、50代は、人生の半分が終わったことを意識しやすい年代だ。
だが、それは悲しいことではない。
逆に、人生の残り時間を意識することで、本当にやりたいことに集中できるチャンスでもある。

やり残したことがあるなら、もう後回しにしない。
今日という日を、人生で一番若い日として、動き出してほしい。

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