40代で大学に入学することは、私にとって大きな挑戦でした。若いころに経験した学びのスタイルとはまったく異なる、新しい教育環境に身を置くことになったからです。今回は、私が大学で経験した授業やテスト、レポート提出などの実情について、30年前との違いを交えてお話ししたいと思います。
1. 40代で大学に入学するまでの道のり
大学に進学するという選択肢を考えたのは、社会人になってから20年以上経ち、ある種の人生の転機を迎えたことがきっかけです。40代に入って、キャリアを見直し、やりたかったことに再挑戦したいという気持ちが芽生えました。社会人として仕事をしながら、学び直しの機会を探し、最終的には大学進学を決意しました。
しかし、入学してみて驚いたのは、私の経験した学びのスタイルと、現代の大学教育がどれほど変化しているのかということでした。
2. 30年前の大学教育:黒板と手書きの時代
40代で受けた大学の授業は、私が若い学生だった頃の1990年代の授業とは、全く異なっていました。当時の授業は、黒板に先生が手書きで書いた内容を、学生がノートに写すというものでした。授業内容はその場で教科書を開いたり、先生が口頭で説明したりすることが多く、パソコンなどのデジタルツールは一切使われていませんでした。
当時の大学生は、すべて手書きでノートを取るしかありませんでした。最も重要なのは授業中の先生の話をいかに正確に聞き取って、ノートに記録するかということでした。情報の伝達方法は非常にアナログで、効率的とは言い難かったものの、それが当たり前だった時代です。
3. 現代の大学教育:デジタル化と効率化
ところが、40代になって大学に入学してみて驚いたのは、授業の進め方が非常に効率化され、デジタルツールが活用されている点でした。現代の大学では、ほとんどの授業がPowerPointを使った形式で行われ、事前に作成された資料がスクリーンに映し出されます。先生が黒板に書き込むことはほとんどなく、すべてがデジタルで完結するため、ノートを取る時間が大幅に短縮されました。
また、授業中に使用する資料も、ほとんどがオンラインで共有され、学生は自分のパソコンやタブレットを持ち込んで授業に参加することが求められます。これは、私が学生だった頃には考えられなかったことです。パソコン一台で、情報を即座に検索したり、グループディスカッションをしたり、レポートの作成をしたりすることができるのです。
4. グループディスカッションとプレゼンテーション
現代の大学教育で特に印象的なのは、グループディスカッションやグループワークの重要性です。私が10代の頃は、ほとんどの授業が一方的な講義形式で、学生同士でディスカッションをする機会はあまりありませんでした。しかし、今ではグループで調査した内容をプレゼンテーション形式で発表することが多く、パワーポイントを使った発表が標準的な授業スタイルとなっています。
授業内でグループを作って調査し、その結果をレポートとして提出するだけでなく、実際にクラスの前でプレゼンテーションを行うことが求められます。これによって、学生はコミュニケーション能力やプレゼンテーションスキルを身につけることができるわけです。特に、私のように40代で大学に入学した場合、若い学生たちと一緒にグループワークを行うことで、新たな視点を得ることができ、非常に刺激的でした。
5. 期末テストの進化:オンライン試験とランダム形式
また、期末テストの形式にも大きな変化がありました。2020年頃まではテストの問題用紙がそのまま手元に残り、試験後に過去問を見直して次回の試験に備えることができたようでした。しかし、私が通っていた大学では、はテストの問題用紙は試験終了後に回収されることや問題用紙と回答用紙が1つになっている形式のものが殆どでしたので、過去問も公開されることはほとんどありません。試験問題がネット上で出題され、ランダムに問題が振り分けられる形式の試験もありました。
私はコロナ禍の途中に大学へ入学したのですが、コロナ禍の影響でオンラインでの試験が導入され、物理的な試験の形式も大きく変わりました。
6. レポートの提出とその変化
レポートについても、かつては授業内容を基にしたレポートが主流でしたが、現代ではさまざまなスタイルのレポートが求められます。例えば、実際に調査を行い、その結果をまとめたレポートを提出することもあります。学期中に2~3回のレポート提出が求められることもあります。
また、時には「抜き打ちレポート」のようなものもあり、授業に出席していないと提出期限を逃してしまうこともあります。これには若干のプレッシャーを感じることもありますが、これも大学生活の一環だと思って積極的に取り組みました。
7. 結論:大学生活の変化と学びの効率化
40代で大学に入学したことで、私は自分自身の学びに対するアプローチが大きく変わりました。かつての手書きで黒板を写すという時代から、パソコンやタブレットを駆使した効率的な学びへと進化した大学教育に驚くことが多かったです。しかし、こうした効率化の中で、授業やテスト、レポートが求めるスキルも大きく変わり、若い世代と同じように新しいスキルを身につける必要性が増しています。
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