40代で大学編入試験を受けて、大学生になりました。
しかし、そうした新たな一歩を踏み出すことに対して、前向きな意見ばかりではないでしょう。社会的な常識や慣習、または「年齢相応」という価値観が根強く残る中で、こうした挑戦には否定的な声が上がることがあるからです。
しかし、私はこの批判に対して反論する立場を取ります。
人生において学び直しを選ぶことの意義や価値、そして40代、50代、60代、またはそれ以上の世代で大学に通うことのメリットについて、改めて考え直すべきだと思うのです。
1.「年齢的にキャリアに不利」とされることへの反論
最も一般的な批判として、「40代で大学に通うことはキャリアに不利だ」「就職市場では年齢がネックになる」という意見があります。確かに、年齢が上がるにつれて、転職活動や新たな仕事を探す際に障害になることがあるかもしれません。
現代の社会では、キャリアの途中でスキルアップや学び直しをすることがますます一般的になっています。例えば、IT業界やデジタルマーケティング分野では、年齢に関係なく経験や新しいスキルが重要視されることが多いです。新しい専門知識や資格を取得すれば、逆にその分野での専門家としての地位を築くチャンスが広がります。例えば、長年の職業経験と新たに学んだ知識を融合させることで、より高い位置でのキャリアチェンジや転職が可能になる場合もあります。
また、現代の多くの企業では「経験」や「柔軟な思考」を重視するところも増えており、年齢に関係なく、独自の視点や能力が重宝されることがあります。40代という年齢は、若い世代にはない経験や人間力を持っているため、それを活かして活躍できる場面は決して少なくありません。
さらに、学び直しをすることで新しい知識や視野が広がることは、自分自身の価値を高めると同時に、人生の選択肢を増やすことにもつながります。結果的に、それがキャリアの転換点となり、人生の後半を豊かにするための大きな力となるでしょう。
2.「若い学生とのギャップ」に対する反論
次に挙げられる批判は、「40代で大学に通うと、若い学生たちとのギャップに悩むのではないか」「大学生活が孤独になりやすい」という点です。この問題は確かに一つの懸念材料ですが、実際には40代の大学生にとって、大きなチャンスでもあります。
大学は「若者のための場所」というイメージがありますが、実際には学びたい人にとっては年齢に関係なく「知識を深めるための場」です。40代で大学に通うことは、むしろ学生としての目的意識が高いため、学業に真剣に取り組み、目標を持って学ぶ姿勢が評価されることも少なくありません。若い学生たちとの違いは、むしろポジティブな効果を生むことがあります。実際に、授業でのディスカッションでは、これまでの経験から若い学生とは異なった視点からの意見や実際の経験に基づいた意見が言えたりし、若い学生はもちろん、先生方からも面白がられていたと感じています。
たとえば、若い学生が抱える悩みや問題に対して、40代の学生が持っている経験や視点を活かしてアドバイスをすることができます。若い学生は、年齢の違いを超えて、経験者から学べることが多いです。確かに年齢層が異なるので孤独を感じることもありますが、実際に私が40代で大学に通っていると、若い学生たちからの質問や相談を受けることが多々ありました。その内容は、家族、恋愛、友達、就職など多岐にわたります。それは、自分の人生経験が他者の成長に寄与している証拠です。
3.「家族や経済的な責任がある中で、大学生活は無駄だ」という批判への反論
さらに、「40代で大学に通うのは、家庭や経済的な責任を抱えている立場からすると無駄だ」「時間やお金を無駄にしている」といった批判もあります。しかし、学び直しが無駄だという考え方には大きな誤解があると思います。
家族や経済的な責任を持つ立場で学び直しをすることは、自己投資の一環であり、長期的に見て必ずプラスになるものです。もちろん、大学に通うことには時間やお金がかかりますが、それを学び直しによって得られる知識やスキル、そして自分自身の成長に投資することは、後々大きなリターンをもたらします。例えば、学んだ知識を活かして収入アップやキャリアの転換を果たすことができれば、大学にかかった費用や時間を十分に取り戻すことが可能です。
また、学び直しをすることで自分の可能性が広がり、その後の人生において、家族に対してもより多くのサポートを提供できるようになります。親としての責任を持ちながら学び直すことで、子どもたちにも「挑戦する姿勢」「学び続けることの大切さ」を示すことができるという点も重要です。
4.学び直しは人生の質を向上させる
最も重要な点は、学び直しをすることが人生の質を向上させるということです。40代という年齢は、ある意味で人生の折り返し地点に立っているとも言えます。だからこそ、今まで経験したことのない新しい知識や視野を得ることは、残りの人生をより豊かにするために必要なことです。
大学での学びは、単なる学問の習得だけではなく、人生そのものを豊かにし、自己成長を促すものです。新たな知識を得ることは、自分の考え方を広げ、視野を深め、今後の人生においてより多くの選択肢を持つことに繋がります。学び続けることが自己肯定感を高め、人生に対する満足度を向上させることができるのです。
まとめ
ミドル世代で大学編入試験を受けて大学生になることに対する批判には、確かにいくつかの懸念が含まれています。しかし、大学で学ぶことは、年齢に関係なく価値のある選択肢であり、年齢を重ねたことで得られる経験や視点は、若い学生たちにとっても貴重な資源となります。学び直しは自己成長を促進し、キャリアの新たな可能性を広げ、人生の質を高めることに繋がります。ミドル世代で大学に通うことは、決して無駄ではなく、むしろ人生を豊かにするための大きな一歩だと言えるでしょう。
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