48歳で大学を卒業し、元の企業に戻って働きながらも、これからどうしようかと思うことがあります。そんな時に出会ったのが、徳岡晃一郎さんの『40代からのライフシフト』という一冊です。
本の概要──人生100年時代、40代こそ“再出発”のタイミング
この本の核となる考え方は、「人生100年時代において、40代からの働き方・生き方を見直し、再設計しよう」というものです。
20代や30代で選んだ仕事やキャリアを、60代まで何十年も同じままで維持しようとするのは、現代においてはもはや現実的ではありません。変化のスピードが速いこの社会で、自分自身も変わり続けなければ、充実した人生を歩むのは難しい。
人生後半に向けて、自らの生き方を大胆に転換し、新しいステージに踏み出すこと。それが40代以降に大切な生き方なのだと、著者は説きます。
「怖くても、動こう」
特に印象的だったのが、第二章で紹介されていた伊藤賀一さんの事例です。彼はスタディサプリで活躍するカリスマ講師として知られていますが、40代にして新たな挑戦をし続けている姿勢が印象的でした。
伊藤さんの座右の銘は、「怖くても、動こう」。
この言葉が、私の心に強く残りました。
そう、動くのは怖いんです。
私も、大学編入試験を受けると決めたとき、心の底から怖かった。自分にそんなことができるのか、本当に意味があるのか、家族に迷惑をかけないか──そんな不安がぐるぐると頭を回りました。
でも、「怖い」という感情は、裏を返せばそれだけ「本気で向き合っている証」なのだと思います。
この章を読みながら、私は改めて思いました。
「怖いからこそ、動くんだ」と。
「チャレンジ精神」こそ、変化の鍵
さらに私の心を強く揺さぶったのが、第四章「ライフシフトを成功させる『変身資産』のつくり方」です。
この章では、ライフシフトを支えるために必要な資産の一つとして、変身資産が紹介されています。その中でも、私が特に共感したのが、「チャレンジ精神」でした。
徳岡さんは言います:
「ライフシフトとは現状への安住の否定です。それゆえ、自分の慣れ親しんだコンフォート・ゾーン(ぬるま湯状態)から抜け出し、少しストレッチ(背伸び)することが必要です。」
変わりたいけど変われない。新しいことをしたいけれど、怖くて踏み出せない。
「今のままでいいの?」と静かに問いかけるような言葉。
そして、筆者はこう続けます:
「目線を今の会社や今の環境から少し引き上げ、外の世界を覗いてみる勇気が必要です。」
「そして、新しいことに挑戦するマインドです。怖がっていたり、面倒くさがっていて、これまでの自分の世界に引きこもっていてはライフシフトは不可能です。」
大学進学──私のライフシフトの始まり
45歳で大学編入試験を受け、46歳で入学。48歳で卒業し、今は49歳。
一見すれば、「学生になっただけ」に思えるかもしれません。でも、私にとっては人生を180度変える出来事でした。
学生として学ぶ日々。若い世代と机を並べる緊張感と刺激。初めて知る世界、広がる視野──。
そこには、怖さと同じくらいのワクワクがありました。
他の誰かがやっているからやるのではなく、「誰もやっていないからこそ、やってみたい」。徳岡さんが言うように、
「自分が『初代』になる気概が大切」
という言葉が、まさに自分の心情にぴったり重なりました。
私は「前例のない道」を歩み始めた。それは、自分の人生を他人に委ねず、自分で決めるという意思表明でもありました。
これからの私──変化は続いていく
大学を卒業し、再び元の企業に戻って働いている現在。
表面的には「元に戻った」ように見えるかもしれません。
でも、中身は全く違います。
私は今、自分の人生に責任を持ち、方向を決める「舵取り」をしています。誰かが敷いたレールを歩くのではなく、自分の足で、自分の道を切り拓いていく。その意識が芽生えたことが、何よりの成果です。
今後も、もっと学びたいことがあります。もっと社会と関わっていきたい。そして、まだ見ぬ世界へ、少し背伸びをしてでも手を伸ばしていきたいのです。
最後に──「怖くても、動こう」
『40代からのライフシフト』という本は、40代で迷い、立ち止まり、そして変わりたいと願っているすべての人の背中をそっと押してくれる本です。
特に、第二章の伊藤賀一さんの言葉「怖くても、動こう」と、第四章の「チャレンジ精神」は、私の心に深く刺さりました。
怖がっているのは、前に進みたい証拠。
コンフォートゾーンを抜け出し、自分の世界を広げようとする挑戦の始まり。
そして、その一歩を踏み出すことで、人生は確実に変わります。
さあ、あなたも一歩踏み出してみませんか?
人生を、もっと面白がってみませんか?
私も、これからまだまだ歩き続けます。
ワクワクしながら。
怖がりながら。
でも、自分の足で、自分の人生を決めていくのです。
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